ラグタイム

その人があたしの存在に気づいた。

「…朝貴、くん?」

疑問形で兄貴の名前を呼んだのは、あたしの格好に戸惑っているからなんだと思った。

藤本さんはプッと吹き出すと、
「違いますよ。

朝貴によく似てるけど、彼女は朝貴の双子の妹なんです」
と、彼女に言った。

「あら、妹さんだったの?

朝貴くんが女の子になったかと思って驚いちゃった!」

彼女は両手で包み込むように頬に手を当てた後、
「ごめんなさいね」

あたしに謝った。

「えっと、白石朝貴の双子の妹の夕貴です」

あたしは彼女に自己紹介をした後、頭を下げた。

「こんにちわ。

と言うか、どうして妹さんと一緒にいるの?

もしかして、つきあってたりするの?」