ラグタイム

「そもそも、俺は朝貴の教育係だったんだよ。

年齢もどちらかと言うと近い方だったから、酒を片手にお互いの育った家庭を話すくらいに仲がよかったんだ。

俺が独立するって言った時も、朝貴は迷わず俺について行ったくらいだからな」

「そうだったんですか…」

どこか懐かしそうに話した藤本さんに、あたしは呟くように返事をした。

「朝貴は友達って言うよりも、弟って言った方が正しいかも知れない。

俺は1人っ子だったから、兄弟姉妹の存在に憧れてた」

そう語った藤本さんの口調から、兄弟のように仲が良かった藤本さんと兄貴の様子があたしの頭の中に浮かんだ。

兄貴は藤本さんについて行くくらいに信用していて、藤本さんも兄貴を弟のようにかわいがって大切にしていた。