ラグタイム

「大学時代に日本史――特に江戸時代を勉強していたと言うこともあったので、興味があるんです」

そう言ったあたしに、
「へえ、それはまた意外だな。

体育会系って言うイメージを抱いていたけど、人は見かけに寄らないんだな」

藤本さんが言った。

「休日を奪った償いとして、つきあってもらえませんか?」

あたしは藤本さんに視線を向けた。

藤本さんはちゃんと前を見て運転していた。

端正な横顔が窓の外から照らされる街灯によって、青白く浮かびあがっていた。

その横顔を見ていた時、唇が開いた。

「おもしろそうだからつきあうとするかな。

来週の定休日でいいか?」

藤本さんの唇が動いたと思ったら、音を発した。