ラグタイム

へえ、珍しい。

いつもは早くきているのに。

それとも今日はあたしがくるのが早かった方なのだろうか?

「ああ、そう…」

あたしはわかったと言うように首を縦に振ってうなずいた。

「今日は俺が閉店後の掃除当番だから、料理のことなんだけど…」

「今日はごめん。

閉店後に藤本さんと少し話がしたいから次にしてくれるかな?」

武人の話をさえぎるように言ったあたしに、
「…ああ、わかった」

武人は寂しそうに返事をすると、首を縦に振ってうなずいた。

「じゃあ、準備があるから」

武人はそう言った後、厨房へと向かった。

寂しそうな彼の後ろ姿に、あたしは悪いことをしたなと申し訳なく思った。

すまん、武人。

心の中で彼に謝ると、あたしは更衣室に入った。