藤本さんが歩き出したので、あたしも彼の後を追った。

「ちょっと待ってください。

ドレスと靴はどうするんですか?

洗って返した方がいいですよね?」

そう言ったあたしに藤本さんは振り向くと、
「それはお前にやる。

プレゼントだと思って受け取れ」
と、言った。

「でも着替えはどうするんですか?

Tシャツとリラコ、あれお気に入りなんですよ?」

続けて言ったあたしに、
「返してもらったから安心しろ。

まだ聞きたいことがあるか?」

そう聞いてきた藤本さんに、あたしは首を横に振った。