「考えとけ」

藤本さんが言った。

「考える?」

聞き返したあたしに、
「そうだ、考えておけ」

藤本さんが言った。

「何でもいいんですか?」

念のために聞いたあたしに、
「ああ、ただし金絡みのことはやめろ。

金の切れ目が縁の切れ目って言う言葉があるくらいだからな」

「金絡みって…」

意外と細かいところがあるんだなと思いながら、あたしは息を吐いた。

「じゃあ、考えます」

そう言ったあたしに、
「よし、帰るぞ」

藤本さんが背中を見せた。