ラグタイム

藤本さんの車に乗せられたついたところは、高級ホテルだった。

「さっきも言ったと思うが、余計なことをしゃべるなよ」

「はい、わかっています」

「よろしい」

藤本さんはそう言って、あたしの前に手を差し出した。

「何ですか、これ?」

そう聞いたあたしに、
「いいから自分の手を置け」

藤本さんが言った。

はいはい、わかりましたよ。

あたしは心の中で毒づくと、藤本さんの手に自分の手を重ねた。

藤本さんはあたしの手をひくと、車から降りた。

ああ、これ映画で見たことあるな。

そう思いながら、あたしも一緒に車を降りた。