ラグタイム

「ホントか?」

そう聞いてきた藤本さんに、
「本当に今日だけですからね」

あたしは念を押すように言った。

「ああ、本当に今日だけだ」

藤本さんは首を縦に振ってうなずいた。

フフフッ、何だかえらくなった気分だぜ。

普段はあたしを見下ろしている若頭藤本が、今日はあたしに見下ろされていると言う状況である。

女優みたいに変身したからなのか?

よくわからないけど、今日はあたしが優位に立っている。

「お前、それ以上調子に乗ったら蹴りあげるからな?」

「はい…」

やっぱり、若頭は若頭だった。