ラグタイム

「俺の彼女役をして欲しいんだ」

そう言った藤本さんに、
「はっ?」

訳がわからなくて、聞き返すことしかできなかった。

「正確に言うならば、婚約者の役だな」

続けて言った藤本さんに、
「こ、婚約者ですか!?

あたしが藤本さんの!?」

あたしは驚いた。

藤本さんの婚約者のフリをするために、あたしは変身をさせられたと言うことなんですか!?

せっかくの休みを返せ、若頭!

「貴重な休みをムダにすることになって悪かったと思ってる。

この埋めあわせは何とかするから、今日のところは我慢してくれ」

藤本さんがあわせた両手をあたしの前に出した。