ラグタイム

「ああ、ごめん…。

ビックリしちゃって、つい…」

口を隠すように手を当てると、あたしは謝った。

「知らなかったから仕方がないことだよね。

大輔さんにも、武人さんにも言っていなかったし…」

翼はやれやれと言うように息を吐いた。

「えっ、俺が初めてなの?」

人差し指で自分を指差したあたしに、
「うん」

翼は首を縦に振ってうなずいた。

「で、翼が今つきあっているって言う女の子は誰なんだよ?」

身を乗り出して聞こうとしたあたしに、
「待ってよ、近いよ」

ストップと言うように翼が両手を前に出した。