あたしは藤本さんの手から懐中電灯を受け取った。

「えーっと…」

どこにボタンがあるんだろう?

懐中電灯をさわってボタンを探して見るも、それらしきものが見当たらない。

「ああ、すまん。

回すとつくタイプなんだ。

右に回せばつくから」

藤本さんに言われて懐中電灯の首を右に回すと、カチッと音がして光が出てきた。

「夕貴と翼はここにいろ。

武人、行くぞ」

「はい」

藤本さんと武人がその場から離れた。

「気をつけてくださいねー」

翼が2人の背中に向かって声をかけた。