「とりあえず、武人の前に集まれ」

藤本さんの指示に、あたしと翼は武人のところへ歩み寄った。

「全員いるな」

あたしたちの顔を確認した後、藤本さんが首を縦に振ってうなずいた。

「大輔さん、一体何があったんですか?」

翼が藤本さんに質問をした。

「どうやら停電したらしいな。

武人と一緒にブレイカーの確認に行ってくる。

確か、この辺に予備の懐中電灯が…」

藤本さんはあたしたちに背中を見せると、ガサゴソと何かを探し始めた。

「あった」

藤本さんはあたしに何かを差し出した。

懐中電灯だった。