ラグタイム

ガチャッとドアが開いたのと同時に、
「おう、待たせてすまなかったな」

武人が現れた。

「いや、そんなに待ってないから大丈夫だよ」

あたしは言った。

「おー、今日は三日月か」

武人が空を見あげた。

「そうみたいだよ」

あたしは同意をするように答えた。

「よし、行くか」

武人は首を縦に振ってうなずいた後、歩き出した。

あたしは彼の背中を追うように歩き出した。

武人と一緒に行くと、黒い車――いつか乗ったことがある藤本さんの車だ――の隣に、シルバーの車が止まっていた。