ラグタイム

裏口から外に出ると、暑い空気が冷房ですっかり冷えてしまったあたしの躰を包み込んだ。

空を見あげると、銀色の月が出ていた。

今日は三日月だった。

「兄貴のヤツ、一体どこにいるんだろう?」

呟いた後、息を吐いた。

兄貴の消息が関西で途切れたことを聞いて以来、あたしは藤本さんから何も聞かされていなかった。

この間あたしから藤本さんに兄貴のことを質問をしたが、彼は首を横に振って答えただけだった。

短髪の男の調査は難航しているようだ。

「兄貴もこの月を見ているのかな?」

月が兄貴の居場所を教えてくれるって言う訳じゃないけど、あたしは月を見つめていた。