ラグタイム

あたしは笑って、
「申し訳ありません、今仕事中なので…」

そう言って立ち去ろうとしたら、
「私!」

ガタンと、彼女が椅子から立ちあがった。

「私、初めて見た時から白石さんのことが好きでした!」

大きな声で、そのうえはっきりと告白された。

どうしよう…。

逃げられなくなった…。

昼過ぎと言うこともあり、周りには女性ばかりだけど客がたくさんいる。

告白と言うシチュエーションになれていないと言う訳ではない。

なれていると言うのはおかしいが、仕事中と言って笑ってごまかしながら告白を交わしてきた。

彼女の告白に答えることができずに、その場で固まってしまったあたしに、
「お客さん、彼をからかったらいけませんよ?」

そう言ってホールに現れたのは、武人だった。