ラグタイム

「はい、ショートケーキとガトーショコラ」

カウンターから出てきたそれらを受け取ると、テーブル席に座っている2人の女性客へと持って行った。

「おまたせしました。

ショートケーキとガトーショコラです」

テーブルにその2つを置いて立ち去ろうとした時、
「あの、すみません」

ガトーショコラを頼んだ女性客に呼び止められた。

「何でしょうか?」

しまった、間違えたか。

そう思って身構えていたら、
「初めて見た時から、白石さんのことをその…」
と、彼女が言った。

あたしの名前を知っているのは胸についているプレートからなのだろう。

そんなどうでもいいことを思ったのは一瞬で、彼女はあたしに告白をしようとしているのがわかった。