「お前、何しに家来とんねん」 起き上がり、ハツミツ色の髪をガシガシとかきながら下を向いて言われた言葉に。 あたしは、ようやく気付いた。 目にかかる前髪の隙間から、 璃久の冷たい視線が向けられている事に。 あ……。 そう思った時は既に遅くて。 「勉強ちゃうんか」 その言葉に、その意味に、その瞳に。 さっきとは違う恥ずかしさが一気に込み上げて来て。 あたしは、璃久の部屋を飛び出した。