異世界に来て、リンドヴルムとシュネシファーが出会ったのは中学の初め、ルミアと出会ったのは高校に入学してから。
初めこそ記憶は混乱していたが、お互いを一目見るとすぐに理解した。
自分達が何者か
ルミと名乗る少女と自分たちとの関係
この世界にやって来た理由
その全てを。
「俺達だってあの子の親だ...心配で後を追った。もし生きていれば、共にこの国に戻ってこれるように、そう思ってね...」
しかし異世界で出会った彼女は表情や感情をなくした、人形のような子だった。
おまけにリンドヴルムやシュネシファーと違いフェルダンで過ごした記憶が一切ない。
まるで過去をすべて拒絶するかのように。
それからというもの、リンドヴルムはルミアに構い倒した。記憶が少しでも戻ればいい、そう思って。
「そんなリンちゃんに私はまた嫉妬してしまって...また彼女を傷つけてしまった。そして喧嘩をして、でも和解して...本当の意味で家族になれると思ったのに」
修学旅行先の海辺のホテル
その近くにある断崖絶壁の崖の上から彼女は落ちた
死んでしまう
そう思った二人はそれまでため込んでいた魔力を全部使い果たす勢いで、何とか時空を歪め、道を作り出した。
上手くフェルダンに繋がれと、そう祈って。
本来、時空を歪め、目的地へ正確にゲートを繋ぐ為には双方で同時にゲートを開かなければならない。
片方だけではどこの世界のどこ時間に飛ばされるか分からないのだ。
『...上手く、行けたかしら...』
『分からん。だが、あの子はあの世界に必要な存在だ...運命が導いてくれる』
そう。
運命が必ず彼女を導いてくれる。
二人はそう信じた。信じるしかなかった。
「それから俺たちはあの世界に残るつもりだったんだ。戻っても歓迎されないのは分かっていたしな。ルミアやジンノ達の事を考えると戻るという選択肢はなかった」
だから二人はあの後も、魔法のないあの世界で生きていた。
あの夜までは。


