「おお!!グロルじゃんないか!!久し振りだなあー」
男の方が突然声を上げる。
すると女性の方も気づいたのか、目を丸くした。
「あらホント。ってことはちゃんとフェルダンに戻ってこれたのね!良かったわあ、何年ぶりかしら」
両手を頬にやり、にこにこと笑う。
本当に嬉しそうだ。
「お前ら...!!生きていたのか...!!!」
対してグロルは驚愕の表情。
それも当然。
何せ彼らは何年もの間消息不明で、最早死んだものとされていたから。
「リンドヴルム副隊長に...シュネシファー副隊長!?本物ですか!??」
アポロも思わず立ち上がりそう叫ぶ。
プリ―ストン家当主であり、ジンノの父親であるリンドヴルム・プリ―ストン
その妻シュネシファー・プリ―ストン
二人はかつてアポロがまだ騎士見習いだった頃、一代前の特殊部隊で副隊長を務めていた。
数年ぶりに見る彼らは当時と遜色ないほどに若くそして、美しかった。
「アポロか!!少し見ないうちに大きくなったなあ!」
「まあ!かっこよくなっちゃって。あの頃の可愛いアポロちゃんはもう見れないのねえ、残念だわあ」
終始ハイテンションで二人は盛り上がる。
「一体今までどこに行っていたんですか!?心配したんですよ」
アポロの一言にシュネシファーは目を丸くする。
「あら、心配してくれたの?嬉しいわあ
...ジンノさんも心配してくれた?」
しかしその質問により空気は一気に悪くなる。
「...うっせーな。あんたたちの心配なんて一ミリもしてねえよ。本当なら国に戻ってきてほしくもなかった。死んでりゃよかったんだあんた達なんか」
「...あ......ごめん、なさい......」
実の親に向ける言葉とは思えない返答に、シュネシファーは傷ついたように顔を伏せた。
「ジンノ!お前、母親になんて口を...」
「母親?ふざけんな、俺はあんたたちを両親なんて思ったことはない。ルミアの事を忘れたわけじゃねえだろ」
恨みのこもった眼で実の両親を睨み付ける。
思い当たる節が多すぎて、リンドヴルムもまた気まずそうに目を逸らす。
「俺があんたたちをこの世界にわざわざ呼んだのは、生きているのなら『オルクス』の一族としての存在意義位全うしてもらわないと困るからだ」
冷たい一言にその場の雰囲気は酷く悪くなった。


