櫻の王子と雪の騎士 Ⅱ





 それを聞き、テオドアは眉を顰める。



「国外の者か?見張りは立てていただろう」


「止めたのですが力ずくで突破されまして...」


「突破?一体お前ら何してんだ!」 


「だってしょうがないじゃないですか!!ジンノ様の妹君ですよ!?」



 衛兵は半泣き状態。



 テオドアは顔面真っ青。



 その様子を見ていたヨハンは何のことか全く分からず困惑気味。



「テオ、何?どうしたの?」



 しかしその問いかけにすらテオドアは答える余裕がない。



「すいませんヨハン王子!このまま彼と王宮に戻っていただけますか?」



「何?何だよ、どうしたの?」



「...国の恩人の大切な方の命が危ないんです。行かなければ」



 鬼気迫る様子のテオドアに、ヨハンも状況を理解しこくんと頷いた。



「ヨハン王子を頼む」



「はい!現場にはクロノワ副隊長とカリス軍隊長が先に向かわれています!正門前です、お気を付けて!」



「ああ」



 そう言うと、険しい表情のままテオドアは駆けだす。



 残された衛兵はようやく自分の仕事が終わり、「さあ殿下、帰りましょう」とヨハンを王宮へ促す。



 それに従いながらもヨハンは心配そうに、テオドアが駆けて行った方を何度も振り返っていた。