それを聞き、テオドアは眉を顰める。
「国外の者か?見張りは立てていただろう」
「止めたのですが力ずくで突破されまして...」
「突破?一体お前ら何してんだ!」
「だってしょうがないじゃないですか!!ジンノ様の妹君ですよ!?」
衛兵は半泣き状態。
テオドアは顔面真っ青。
その様子を見ていたヨハンは何のことか全く分からず困惑気味。
「テオ、何?どうしたの?」
しかしその問いかけにすらテオドアは答える余裕がない。
「すいませんヨハン王子!このまま彼と王宮に戻っていただけますか?」
「何?何だよ、どうしたの?」
「...国の恩人の大切な方の命が危ないんです。行かなければ」
鬼気迫る様子のテオドアに、ヨハンも状況を理解しこくんと頷いた。
「ヨハン王子を頼む」
「はい!現場にはクロノワ副隊長とカリス軍隊長が先に向かわれています!正門前です、お気を付けて!」
「ああ」
そう言うと、険しい表情のままテオドアは駆けだす。
残された衛兵はようやく自分の仕事が終わり、「さあ殿下、帰りましょう」とヨハンを王宮へ促す。
それに従いながらもヨハンは心配そうに、テオドアが駆けて行った方を何度も振り返っていた。


