(耳が痛いな......)
テオドアはそう思いながら顔を歪める。
「別に責めてるわけじゃない。お前がそれを正しいと判断しただけだからな
僕が何を言おうと、実際に行動するのはお前達だ。現場でのことはお前達に口出せる立場じゃないし、前線に出て戦えるだけの力も僕にはまだない」
思い返すのは放火犯とじかに対峙したあの時。
口先ばかりだと馬鹿にされるのが嫌で自ら犯人を捕らえに行ったのに、いざ目の前に立つとその恐ろしさに足がすくみ、ただ怯えるばかりで何もできなかった。
殺される
そう思ったとき、颯爽と現れた一人の騎士
名も名乗らずスマートに助けえてくれた。
それこそ、ヨハンの目にはヒーローのように映った。
『よく犯人を止めていてくれました。君のおかげでこいつを捕らえることができた。ありがとう』
そう言ってヨハンの小さな頭を包み込むようになでてくれた。
穏やかで柔らかい笑みを浮かべるその人の手は、とても力強くて大きくて頼もしかった。
「...なあテオ、僕はさ、ヒトとして恥ずかしくない人間になりたいだけなんだよ。自分の国の問題でもないのに当然のことのように僕らを助けてくれた異国の騎士を見て、純粋にそう思ったんだ
テオは恥ずかしいと思わないのか?結局犯人を捕らえ放火を食い止めたのは異国の旅の騎士だ。彼らは碧の部隊が駆けつけるまでに全てを収拾させ、怪我人の治療までこなしてた。全部僕らにはできなかったことだ
僕は恥ずかしい。自国の問題すら自分たちで解決できない未熟さも、やっぱり口先だけの僕自身も。だからせめて人として彼らに恥じない人間でありたい」
だから、まずは謝罪から。
守りきれなかった自分たちの弱さを謝り、正しい判断を下せなかった愚かさを反省する。
それが全ての始まりであり、自分がすべき事だと思ったから。


