『俺の中にいつもいたのは…あんただったよ』





なん、で?




嘘じゃないの?





これって現実?




これがもしも現実なら、嬉しすぎるよ。





ううん。夢でもいいの。





肥山君の口から聞けたことがすごくすごく嬉しい。





肥山君は続けて言った。





「告られた時、あんたの顔が浮かんでさ。俺…今まで人に告ったことないから、うまく伝えられるか分かんないけど…」





「…ふっ、う?」





私は涙いっぱいで。





これは嬉しい涙。




「…あんたのことが好き。俺と付き合って」





神様、本当にこれは現実なのですか?





「あの…そこ泣く?」





「違うもん。嬉しくて」





何度も涙を拭ったけど止んでくれなくて。





「あーそっちのね」





「うん」





「でも泣いたら化粧くずれるんじゃない?」





「あ…あーー!!」





「ま、それがあんただね」






「うわぁ!そろそろ花火上がるよ!」





時間はもう花火打ち上げ予定の7時を針が指そうとしていた。





私は肥山君の腕を掴んでは走った。






「てか俺さぁ」





「んーっ?」





周りに人が沢山いてざわざわするから大きな声で答えた。





すると肥山君も私に負けないくらいに声を出して






「まだあんたの返事聞いてないんだけど」





返事も何も…笑





「私は始めっから肥山君が大大大大大好きですっ!」






「その言葉久々」





やっと肥山君と気持ちが繋がった!






初めはこうだったよね。





『ひーやぁーまくん!』




『…またか』




『何してるの?』




『なにも』





やっぱり冷たくて。





『やったぁ!肥山君が好きですっ!』




『俺はその逆なんですが』





『好きにならせてみせます!』





『勝手にしてて』





やっぱり素っ気なくて。





『やっぱりあんたは笑ってる方がいいよ』




『え?』




『いい意味で』




『そうかなあ!ありがとう!』




『俺は泣いてるあんたよりそっちの方が好き』





だけどたまに甘くって。





「あっ」




花火が空に上がった頃。





私が肥山君を好きになった理由。





全部ぜんぶ思い出したよ。






あの日から私の世界が変わりました。