「そう言えば…今何時…?」




キョロキョロと時計を探すけど見当たらない。






「秘密〜」





棗君は時間を教えてくれようとしない。





遅い時間だったら帰らないとお母さんが心配しちゃう…。





「お母さんが心配しちゃうよ〜っ…」





そう私が言うとギュッと棗君が私を抱きしめる。






「だって言ったらゆっちゃん帰っちゃう」






…てことはもうそんな時間ってことですね……。





「そ、それは……」





棗君がいうことに対して否定できない。





「じゃああと10分だけ。
このままでいて」





そうしたら送る、そう言って棗君は私から離れない。






棗君がこんなベタベタするとは思ってなかった。





なんか……可愛いかも…。