「棗…?」 ジーッと私を見る棗君を呼ぶ金宮さんの顔は引きつっている。 武藤君も武藤君でいつもの笑顔は消えていた。 「…ねぇ、棗?」 棗君は金宮さんに名前を呼ばれても全く反応せずに私の顔を見て… 「男好きの女はいらない」 え…………? そう棗君は一言だけ言うと金宮さんの腕を引っ張ってすぐにどこかへ行ってしまった。 男好きって… 私のことを言ったってことだよね…? 私が武藤君と一緒にいたから…?