「あぁ...久しぶりだね、ゆずき」





俺が柚月にそう言ってからすぐに隣の席のゆっちゃんは立ち上がって席から離れる。





チラッと見てみれば...





教室の出入口の席の武藤に腕を掴まれて捕まってる。





...ゆっちゃんの腕...掴んでる...。





「棗ー?」




俺のイライラに気づかない柚月は不思議そうに話しかけてくる。





でも柚月よりゆっちゃんのことが気になって気になって柚月に返事はしない。





よく耳をすませば...





「佐倉田さん...?


どこ行くの...?」





武藤の声が聞こえた。





なんでお前がゆっちゃんの心配なんかするんだよ...。





すげームカつく......。