高校2年の夏…。 多目的室に資料を置いてきてくれと頼まれた私…佐倉田 柚子は先生の指示に従って1人で向っていた。 「あーつーーーい……」 荷物を運びながら窓の外を見れば下校中の生徒の姿。 蝉の鳴き声に鬱陶しさを感じながらも目線を前に戻す。 私のことをみんなお人好しだと言う。 お人好しなんじゃなくって困ってる人助けてるだけだもん…。 廊下の角に多目的室の扉が見えた。 「やっとついた~」