「いやぁぁぁぁ!!!」


次の瞬間、彗の悲鳴が部屋中に響き渡っていた。


咄嗟に目をそらしていた俺は、ハッとして顔を上げる。


右目から真っ赤な血を流しのたうちまわっている彗が視界に飛び込んでくる。


「え……なんで……」


俺は混乱しながら悠を見た。


悠は目を閉じたままで、その顔にはどこにも血がついていない。


「彗! なんてことするの!!」


百合が彗に駆け寄る。


彗の右目にはスプーンが突き刺さっていて、銀色の柄が真っ赤に染まっている。


まさか、彗は自分の目をとろうとしたのか!?


ようやくその事実を理解した俺は、彗に駆け寄った。


「彗、大丈夫か!?」