結局この部屋がなんなのかわからないまま、時間は過ぎて行った。


それぞれ、部屋の中に座ったり寝転んだりしているが、そこに会話はなかった。


そしてひとり、彗だけが落ち着かず部屋の中を歩き回りあちこちを確認していた。


自分の部屋にどれだけ似ていて、なにが似ていないのか。


それを見極めようとしているようだった。


「彗、落ち着いて」


百合が見かねて彗の肩をポンッと叩く。


「でも……」


「もう少しで船の修理が終わるかもしれないよ? そうすればみんなここから出られるから」


優しくなだめるようにそう言う百合。


しかし、その優しさを打ち消すように嵐が口を開いた。


「本当に出られるのかよ」


その言葉に、一瞬にして全員が凍りつく。


「おい、嵐!!」


俺は嵐を黙らせようとするが、嵐は俺を振り払った。