「大丈夫。こんなことになったのは悠のせいじゃない」


俺はそう言い、悠の肩を叩く。


「誰も悠の事を責めたりはしないさ」


そう言いながら俺はチラリと嵐を見た。


あいつの場合は論外かもしれないけれど、それは言わずにおいた。


「……僕も一緒に行くよ……」


小さな声で悠が言う。


「よし! じゃあみんなで一緒に行こう」


ようやくみんなの意見が一致し、ホッと胸をなで下ろす。


こんな場所で言い争いはよくない。


仲間同士が疑心暗鬼になるだけだ。


とにかく今は俺だけでも笑顔でいなきゃいけない。


俺はそう思い、百合の手を握ってほほ笑んだのだった。