ドアを開けると、そこには見たことのないキッチンが広がっていた。


だけどそこはすぐに悠の家だとわかった。


今までで一番大きなキッチンだ。


作る場所と食べる場所が完全に別々になっているようで、ここには広い厨房があるだけだった。


ステンレス製の大きな調理台に、プロが使うような道具がずらりと並んでいる。


「今度はなんだ?」


俺は1人呟いた。


こんな本格的なキッチンで一体何を作らされるのだろう。


見たところ道具はあるし、冷蔵庫を開けてみるとちゃんとした食材が入っていた。


もちろん、冷蔵庫の中のものは信用できないけれど。


一通り確認し終えた時、ジジッとあの音が聞こえて来た。


《みなさまお待たせいたしました。それではステージ7を始めます》


その声に背筋がゾクリと寒くなる。


最後の1部屋。


きっと、きっとこれですべてが終わる。