「良、お前が悪いんだ。俺はさっきカッターナイフをしまおうと思ってたんだ。それなのにお前が月奈を殺した!!」


「……僕……が……?」


「そうだ。お前だよ、お前が殺したんだ」


「違う……月奈はまだ死んでいない。ほら、息をしてるじゃないか!!」


見ると、月奈は苦しげに呼吸を繰り返している。


今ならまだ間に合う。


月奈は助かる。


「救急車!」


良がそう叫び、スマホ取り出す、


だけど俺は、良からそのスマホを奪い取ったんだ。


「高嶋……?」


「呼ぶな」


「なに……言ってんだよ……」


「良、お前車の免許とってたよな? 家の車を持って来い。それに月奈を乗せる」


震える良に俺は淡々と指示を出した。


「待ってくれよ……言っていることの意味がわからない」


「月奈を車に乗せて、俺のアパートに運ぶ」


「だから、なんで!?」


「月奈はもう死んだ」


俺が一言そう言うと、良がゆっくりろ月奈を見た。