ジッと月奈を見ている。


「良! そもそもお前が……!!」


勢いよく立ちあがり良に文句を言おうとした時、寝転んだままの月奈が目に入った。


月奈は小刻みに痙攣していて、その目を見開いている。


その首筋からは鮮明な血がドクドクとあふれ出し、周囲を赤く染めていた。


「え……」


俺は事態を飲みこめないでいた。


どうして?


そんな疑問が浮かんでくる。


だけど、気がついたんだ。


さっきまで持っていた俺のカッターナイフが、血だまりの中に沈んでいることに。


「うそだろ……」


「月奈……月奈……」


良が何かにとりつかれたように月奈にすがりつき、その制服はあっという間に赤く染まっていく。


「お……お前が俺に体当たりしてきたからだろ!!」


俺は咄嗟にそう怒鳴っていた。