見ていると徐々にむかついてきて、俺は無心になってその男を殴っていた。


「あげる……お金、あげるから!!」


「あぁ? 聞こえねぇよ」


「あげ……グハッ………お金……あげ……」


「なんだよ、しっかりしゃべれよ」


俺は男の言葉をわざと遮るように殴りつけ続けた。


数分間それを繰り返していると、やがて男は全く動かなくなってしまった。


「あ~あ、落ちてやんの」


そう言い、男の持っていた財布から現金を抜き取った。


「お金あげるって言ったのは、お前だからな」


そう言い、財布を男の腹の上にポンッと置いて立ち上がる。


久しぶりにいい運動になったな。


そう思い、肩をまわした。


その時だった。