「おい、何を……!」


良が驚いて春姫に詰め寄る。


けれど、俺はそれを静止した。


「グラスをかき氷と同じ状態になるまで砕くんだ。そのためにミキサーはある」


そう説明して、春姫と一緒にグラスの破片をかき集め始める。


大き目の破片を素手でつかむと指先から血がにじみ出た。


それが透明な破片を濡らし赤く染めていく。


「拓夢、大丈夫?」


百合が心配そうに聞いてくる。


「平気だよ、このくらい」


今からこれを食べる事を考えれば指先の怪我くらい、無いも同然だった。


一通り破片を拾い集めた春姫はそれをすべてミキサーの中に入れた。


コンセントをさし、スイッチを入れる。


想像よりも大きな機械音が周囲に響き渡る。