春姫の家のキッチンはとにかく広く、収納も豊富だった。


しかし引き出しや戸棚の中にはほとんど者が入っておらず、あるのはミキサーとワイングラス。


それに深い皿とスプーンだけだった。


冷凍庫の中には氷がしっかり作られている。


「これ……だけ?」


探して見つかったものをテーブルに並べて、春姫が言う。


確かに今回はアイテムが少ないような気がする。


俺はワイングラスを手に取り、それを光へ向けてかざしてみた。


曇りも傷も見当たらない。


完璧な状態だ。


俺は小さく息を吐き出した。


他の仲間たちはそれぞれに頑張ってきたんだ。