そう思った時、バタンッと音を立てて入ってきたドアが開いた。


それを見て、良がそっとドアノブに手をかける。


「開かない……」


良がそう呟く。


それは誰もが予想していた通りの展開だった。


ここでも、きっと誰かが犠牲になる。


俺は死んでいった悠と彗の顔を思い出していた。


2人とも学校内では目立った存在ではなかったし、学校行事にも真面目取り組むタイプの生徒だった。


そんな2人が、苦しみながら死んでいった。


なんの罪もない2人が、この建物のせいで……。


そう思うと胸の奥から怒りが沸き起こってくる。


なにがなんでもっこから脱出してみせる。


そしてこの建物を作ったやつを許さない。


絶対に、この手でぶっ殺してやる!