このキッチンはリビングダイニングになっているようで、随分と広い。


ドアを入って手前がキッチンで、奥側はリビングになっている。


「とにかく、みんなこっちの部屋に集まろう。こっちにはソファもあるし、少しは落着いて話ができると思うから」


俺はそう言い、ドアの前で躊躇している他の友人たちを呼んだ。


悠の遺体を彗のキッチンに残したまま、俺たち6人はソファに座った。


百合はずっと彗の隣についていて、彗は時折痛みに顔をゆがめ、荒い呼吸を繰り返している。


「彗。横になっていいよ」


百合がそう言い、彗に膝枕をする。


彗が横になった拍子に巻いている衣類の隙間から血が流れ落ちた。


まだ出血が止まっていないのか……。


俺はグッと歯を食いしばる。


彗の顔色は見るからに悪い。


このままじゃ、彗まで失ってしまうことになる。