「あたしの家のキッチンって、一体どういう事!?」


春姫の言葉を聞いた百合が慌てて駆け寄ってきた。


「ここ、ゆりりんの家のキッチンだよね?」


春姫にそう聞かれ、百合は青い顔をして小さく頷いた。


「どうことだよ、それ!」


先に部屋に移動していた嵐が怒鳴る。


「わからない……」


百合は左右に首をふってそれに答えた。


「わからない、じゃねぇだろうが! お前の家のキッチンなんだろ!」


嵐が彗の時と同じように怒鳴り始め、慌てて俺はそれを止めた。


「よせよ。彗にも百合にもここがなんなのかわかってないんだから」


そう言うと、嵐は軽く舌打ちをして部屋にあるソファに勝手に座った。