「それで?」
「それで」
……待ってた。
そしたら……
「里翔くんがビーチボールを取りに近くまで来て、気づいてくれて結んでくれて何もなかったよ?」
私は悠希に遠慮気味に悠希の様子をみる。
……嘘は言ってない。
「ほんとか?」
「うん」
「……里翔のこと、誘惑してたんじゃ」
「そんなことしてない」
悠希の声に私の声がかぶるくらいの勢いで言うと、柑奈たちが帰ってきた。
「楽しかったね〜里翔」
「あぁ、うん」
「……え、里翔?」
里翔くんは私たちが話し合いをしているのに気づいて柑奈の背中を押してシャワー室へ向かう。