……怖いな。
そう思って、私は悠希の手を握る。
「これは、私が本当に体験した話。」
高校時代、部活で卓球の練習を体育館でしていたときのこと……。
その日は、たまたま柑奈ともう一人の部員、顧問の先生の3人だった。
基礎練をしていると急に教官室にある、インターホンが鳴り始めた。
先生に"電話がなっている"と伝え、基礎練をしていた手を止めると何も聞こえない。
おかしいと思いながら、練習を続けているとまた、インターホンがトゥルルと鳴る。
今日はなんか変……そう感じた。
先生は、"今日はインターホンの元を切っているから鳴らないはず"と言うと、友達と苦笑い。
気にせず練習を続けていると、背中がぞくっとすると"はい、もしもし"と男の人の声が耳元で聞こえたらしい。
「……ってことがあったの」
…………。
「怖いね、悠希」
「そうか?」

