土曜日の昼、僕はいつものように河川敷にいた。いつものように本を読み、いつものようにホームレスのおっちゃんと話しながら。 これまではなかった切ない寂しさを抱えて。 昨日、僕の心のなかに入ってきた彼女は、あっという間に僕の心の中に居場所を作ってしまったらしい。 河川敷には日が照っていて 僕の影が土手にはっきりうつっている。 (透明人間に影はできないだろう。) とそこにはいない誰かに反撃すると 川面で魚が跳ねた。