この恋、きみ色に染めたなら






『俺と話したくない。
 俺と居たくない。
 そういうこと?』






………違うよ…!




言葉で否定できないけど。




先輩と話したい、先輩の声を聞きたい。

先輩と一緒にいたい、先輩をもっと知りたい。



私は、そう思ってるよ…!






でも…




でも…








『紗希になんでそんな態度とられんのか分かんない、けど紗希が居たくないならそうするしかないよな。

 モデルも無理、だな』





先輩は私の手を離す。





“紗希なら描けると思った”


不意に頭の中を過る先輩のあのときの言葉。





違う…


先輩の傍にいたいんだよ。




先輩の役に立ちたいんだよ。






でも、先輩に関心があるの。


このまま先輩と居たら、先輩を好きになっちゃいそうで…






“俺を好きになるな”



でも先輩はそう言ったからー…




だから……