『……肇…!』





声がした方に振り向くと真理子さんと山科先輩が私たちの元に駆け寄ってくる。




私たちのもとに到着したところで、倒れている私に気が付いた真理子さんと山科先輩は膝を地面につき、そして真理子さんは私のおでこに触れる。




みるみる真理子さんの手が真っ赤に染まっていくー……










『……紗希ちゃん……!?

 肇、紗希ちゃんどうしたのよ……!?』




真っ赤に染まった手とは逆の手で真理子さんは成田先輩の方を揺する。










『…………………俺が………俺が………“待って”って言われたのに………俺が………』





私を抱きかかえている先輩の制服も真っ赤に染まっていて……




先輩も酷く動揺している様子に真理子さんは山科先輩に救急車を呼ぶように頼み、山科先輩が携帯で連絡をし始める。











『…肇、紗希ちゃんと何があったの……?』




真理子さんは成田先輩に問いかける、でも成田先輩はただ全身が震えていて、とても真理子さんに返事が出来る状態じゃない……











『真理子さん、あのね、私……』






私は真理子さんに近寄り、真理子さんに声をかける。




でも真理子さんも私の声に気が付かないー……








先輩も私の声に気付かない。


真理子さんも私の声に気付かない。








私………もしかして…………死んじゃったの………?