『前から、あの女には告られてた……。
けど俺は紗希のことが好きだったから、紗希と付き合った…。
それからずっと、アイツには“紗希と別れろ”って言われてて……。
紗希と別れなかったら、紗希を酷い目に合わせる……って、アイツ…悪い仲間ともつるんでるから……マジで紗希に何かされたら……すげー心配だったから……俺……アイツの言いなりになった………』
比呂の崩れないその真剣な瞳が、一気に揺れたように見えた。
比呂の左手が私の右腕を掴む、それもすごい力で掴んでくる。
比呂が……
比呂が私をフッた理由……
私を守るため……
『………どうして…今…なの……?
どうして付き合ってる時に、相談してくれなかったの……?
そしたら……比呂だけを苦しめることだってなかった……
私だって……比呂と別れても……比呂を………』
そこまで言った時ー…
私の目に映る、体操着姿の先輩ー……
『…………先輩………』
少し離れたところにいる先輩に気が付いてしまった私は、そう口にする。
それを聞いた比呂が私を顔を見て、そして私の視線の方へと顔を向けた。

