『………嫉妬……』



あれ……確かに…

比呂がまた違う女の子と一緒にいるのを見て、あの子はどうしたんだろう…とは思った。



そんなに簡単に別れちゃうような相手に私は負けたってこと…なのかなとも思っちゃう。



けど、付き合ってる時みたく比呂が誰かと一緒なのも腕を組んで歩く姿を見るのも、そんなにショックじゃないかも……。





『……嫉妬っていう感情は…ないかもです』


そう答えながらも、まだ比呂と別れてそんなに月日が流れた訳でもないのに、もう新しい人に夢中になってしまっている自分に少しだけショックを受ける。




私、比呂のこと、本気で好き…だったよね…?



なのに、どうして辛いなとか、苦しいなとかっていう感情が比呂に対してないんだろう…



私、そんなに心変わりするのが早い女だったっけ?






『前々カノちゃん、もう比呂のことは全然眼中にない感じか。

 あ、もしかして好きな人とか彼氏とかいるんだ?』



佐伯由香利さんはズバリ、そう問いかけてくる。






『……えっ……まぁ……』



曖昧な返事に目の前の佐伯由香利さんがため息をつく。





『なーんだ。じゃ、つまんないや』





……ん?



つまらない……?




何が?…ん、なんのこと?