この恋、きみ色に染めたなら






美術室に到着するまで何も言葉を発しない先輩。



無言、それでも先輩は私の手は離さなかった。





先輩が手を引いてくれて嬉しい、


それでも心のそこから喜べないのは、あの人のせいー…










ーーガラッ…



そんな音を立てて、美術室の扉を開けると先輩は再び私の手を引いた。




キャンバスも置かれていない、椅子も出されていない、そんな美術室の中で先輩は私の手を取ったまま足を止める。







でも、先輩はやっぱり何も言わなくて、でも手は離してくれなくて。









『…………先輩、あの……』




意を決して、私は先輩を呼び掛ける。



私の呼び掛けに先輩は体を私の方に向けるも、その顔に笑みも勝ち誇った、あの独特の様子も見受けられず…




ただ、先輩は黙っていた。





まるで私から何かを話すのを待っている、そんな感じに見えた。