町の木の葉はもうとっくに散り、裸になった。 少し肌寒い風がすーっと横をすぎてゆく。 寒いなぁ、なんて思いながら、ある人を待つ。 今は12月下旬。 「乙葉ー?待ったか?」 おまたせ、なんていって白い息を吐き出した彼。 「待ってないよー。あ、ハッピークリスマス」 はい、といって丁寧に包装された物を渡す。 そう、今日は12月25日でクリスマスなんだ。 町はサンタクロースの格好をした人がティッシュを配っていたり、 ツリーやイルミネーションが飾られていて子供達もわいわいと賑やかだ。