「にっしーは......あれ?
なんでゆっち、にっしーのこと知ってるの?」



新入生代表挨拶をやっていたヒロくんや、同じクラスの小野くんは当然知っているにしても、にっしーを知っているのはどうしてかがふと気になった。

にっしーも隣のクラスだからどこかで見かけていても不自然ではないけれど、それにしてもにっしーと親しげに呼んでいるのが気になる。



「にっしーとあたし、保健委員会で一緒だから」

「そーなんだ。......あ、ねぇ。
ゆっち彼氏ほしいなら、ゆっちこそにっしーどうなの?
いま彼女いないみたいだよ?」



委員会で一緒ならちょうどいいじゃん、彼女いない今がチャンスだよ、と今度は私が目を輝かせる番。



「......んー、にっしーはやめとく」

「なんで?にっしー普通にいいじゃん。
優しいし面白いし、野球も上手いし。

それに、ゆっちの大好きなイケメンだよ?」



イケメン、の部分を強調して、乗り気のない返事をするゆっちにさらに探りを入れる。

にっしーのどこがだめなんだろう?
少なくともヒロくんよりは絶対にっしーの方がいいのに。

タイプじゃないなら仕方ないけど......。