ふりむいてよキャプテン

「俺もそう思うよ。
ここで何か結果残して、夏大までに勢いつけておきたいとこだよね。暑い日も寒い日も晴れの日も雨の日も、一緒にがんばってきた仲間と、県大会行きたいよ」


しーんと小野くんの話を聞いていた部室の空気を最初に変えたのは、にっしーだった。

暑い日も寒い日も~なんて、ちょっとちゃかした言い方をしたけど、きっとにっしーは真剣に言ってるんだ、とそう思えた。

穏やかに笑っているにっしーの言葉は、なぜだかグッとくるものがあったから。


「......そうだな。
特に俺ら二年は、もう夏で最後だ。
最後に、結果残したいよな」

「うん。ここまできたら、もうやるしかないな」


最初に同意したのは誰だったか。
けれど、一人が同意したのをきっかけに、次々にみんなが俺も俺もと同意した。


......そうだよね。

これだけいれば相性が悪いとか、誰がレギュラーとか活躍してるとかで妬んだり、あいつムカつくなとか、それぞれ内心思うところがあるのは避けられないと思う。

どれだけ熱く語っても、何かいい方法を考えても、嫌いな人を好きになったり、まるでひっかかるとこもなくみんな仲良くしようぜ!ってのは無理がある。


だけど、みんな今まで一緒にがんばってきた仲間なんだ。

試合が終わって離れてみれば、お互いムカついたり嫌いとかはあっても、きっと試合に勝ちたいと思う気持ちはみんな一緒。

それだけは、心はひとつなんだ。
その気持ちだけは、きっと心をひとつにできるんだ。