ふりむいてよキャプテン

「いいよ、分かってるから。
小野くんさっき、手離したじゃん。
まるちゃんに、見られたくなかったんでしょ?
行きたいなら、そっちいっていいよ。
私は大丈夫だから」


うつむく私に、小野くんはしばらく沈黙した後に、私の腕をつかんでいる手をそっと離した。


「......ごめん」


一言だけつぶやくと、うつむいていても小野くんがその場から去っていくのが分かった。


本当に、行っちゃうんだ......。

いや、分かってたけど.....。
小野くんはまるちゃんのことが好きって知ってたし。


私なんて、小野くんにとってただのマネージャーで、ヒマだったから一緒に映画きただけ。

まるちゃんは好きな人なんだもん、全く立場が違う。


少しの迷いもなく、手、離したんだもん。


分かってた、けど、......。